筋トレいつやるべき?朝・夕方のメリットと注意点をプロが指南!

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筋トレいつやるべき?

筋トレを始めようと思ったとき、「一体どの時間帯が一番効果的なんだろう?」と悩んだことはありませんか?実は、筋トレを行う時間帯によって得られるメリットは異なります。私自身もプライベートジムで多くの方々のトレーニングをサポートしてきましたが、朝、昼、夕方、夜と、それぞれの時間帯に合わせた筋トレ法を実践することで、多くの方が理想の体づくりを効率的に進めています。

これまでの研究で分かっていることは、朝にトレーニングを継続していくと、体内時計が前進する(朝方にシフトする)こと、体温が高くなる昼過ぎから午後の時間帯が、筋力や持久力が発揮しやすくなる傾向にあること、そして夜間の高強度のトレーニングは入眠の妨げになる可能性があることなどです。

このように、自分の生活スタイルや体調に合わせて筋トレのタイミングを調整することで、継続しやすい習慣に変わります。

この記事では、それぞれの時間帯における筋トレのメリットと注意点について詳しく解説し、さらに年齢やライフスタイルに応じた最適なトレーニング方法も紹介します。筋力アップだけでなく、健康維持やストレス解消にも役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事は、次のような方におすすめです。

  • 筋トレを始めたいが、どの時間帯に行うのが良いか迷っている
  • 自分の年齢や生活リズムに合わせた効果的な筋トレを知りたい方
  • 無理なく継続できる筋トレ方法を探している方

1.筋トレを行う最適な時間帯とは?

筋トレを行う最適な時間帯とは?

筋トレを始める際、いつ行うのが最も効果的なのか迷う方も多いでしょう。実際、トレーニングの時間帯によって得られるメリットは異なり、それぞれに適した方法があります。ここでは、朝・昼・夕方・夜の各時間帯における筋トレの特徴を紹介し、ライフスタイルや目的に応じた最適な時間帯を探るお手伝いをします。自身の体内時計に合わせてトレーニングを行うことで、より効率的に体力や筋力を向上させることが可能です。

朝に筋トレをするメリットとデメリット

朝の筋トレは、1日のスタートを切るのに最適です。朝の時間帯に運動することを継続すると、体内時計が前進すると言われています。朝のトレーニングを習慣化することで、午前中の集中力が増し、例えば仕事での集中力も高まるかもしれません。実際に私のクライアントでも、朝のトレーニングを取り入れることで、午前中の仕事がはかどるようになったという声も聴きます。

また朝の運動は習慣化しやす傾向もあります。仕事終わりや夜に運動をしようとすると、残業や急な用事が入ったりして続かないことがよくあります。ですが朝は急な予定などが入ることが少ないため、続けやすいというメリットもあります。

一方で、朝のトレーニングは体温がまだ低く、関節の動きもスムーズでないことが多いため、急な運動は怪我のリスクが高い点に注意が必要です。軽めのストレッチや、軽めの筋トレなど、少しずつ始めるのが良いでしょう。

昼〜夕方に筋トレをするメリットとデメリット

昼食後2~3時間後から夕方にかけての時間帯は、気温とともに体温が上昇し、運動に一番適した時間帯です。持久力の指標となる「最大酸素摂取量」に関して言えば、同じ運動強度に対しての酸素摂取量は、午後の時間帯が一番低くなる傾向にあるという報告があります。「同じ運動強度での酸素摂取量が低くなる」ということは、同じ運動を楽に行えるという事です。言い換えれば、より高い強度のトレーニングを行えることになりますので、持久力を高めたい方は、この時間帯にしっかりとトレーニングすることが有益かもしれません。

筋トレに関しても、「筋肉のタンパク質合成は、朝や夜よりも、日中の方が高かった」とする報告や、「朝よりも夕方に筋力トレーニングをしたグループの方が、筋肥大の程度が大きかった」とする報告もあります。このような時間帯別の筋トレの効果の違いについては、まだ研究が進んでいる段階で明確な答えはありませんが、筋トレにしても、持久性運動にしても、この時間帯が一番運度しやすい時間帯と言えるでしょう。

夜の筋トレがもたらす効果と注意点

夜、軽めに筋トレを行うことは、一時的に体内の深部体温を高めますが、その後に睡眠に適した深部体温まで下がります。運動しなかった場合よりも体温が大きく下がるため、スムーズな入眠や熟睡感が得られるとも言われています。ただし、激しい運動をすると交感神経が活発になり、入眠を妨げることがあるため注意が必要です。寝る直前の筋トレで睡眠の質が低下したというケースがあり、リラックスを重視した運動に切り替えることで改善されました。

理想的には、就寝の2〜3時間前までにトレーニングを済ませると、睡眠の妨げになりにくいでしょう。

食事とのタイミングを考えた筋トレのポイント

筋トレと食事のタイミングを調整することで、効率よく体を作ることができます。例えば、朝食前に軽めの筋トレを行うことで、脂肪燃焼が促進されることが知られています。一方、夕方に筋トレを行う場合は、エネルギー補給を意識して食事を摂ることで、筋肉の成長をサポートすることができます。

それぞれの時間帯に合わせた食事の工夫を行い、自分に合ったトレーニングプランを見つけましょう。

2.年齢別!筋トレに最適な時間帯の提案

年齢別!筋トレに最適な時間帯の提案

筋トレを行う際、年齢によっても適切な時間帯が異なるかもしれません。ですが、年齢によって筋トレや運動に適した時間帯があるかどうかは、まだほとんど分かっていません。一方で、習慣的に運動を行う時間帯の違いが、体内時計に影響を与えることはあるそうです。ここでは、年代別の生活スタイルの際に応じた、おすすめの筋トレの時間帯を以下に提案してみたいと思います。

若年層におすすめの筋トレ時間

若年層(20~30代)で日中に仕事をされている方々は、残業も多く、終業後に家庭の急用などが入るケースが多いのではないでしょうか。筋トレに一番適していると考えられる夕方に筋トレをすることは、なかなか習慣化しにくい生活環境だと思います。若年層の方は体力も回復力も高いですので、朝に筋トレをするのがおすすめです。出勤前などにスポーツクラブや24時間ジムなどで1時間ほど筋トレをするのはいかがでしょうか。

持久力に関して言えば、朝の時間帯に運動を継続している方は、夕方と同程度の持久性パフォーマンスを発揮できるという報告もあります。筋トレに関しても、朝のトレーニングを習慣化することで、夕方と同じような筋トレの成果を得られるかもしれません。

実際に、私が昔働いていた朝6時から営業しているジムでは(とても小規模のジムでしたが)、朝6時から7時までの1時間に、20名以上の外国籍の方がジムに訪れ、高強度の筋トレを行っている方も多数いらっしゃいました。皆さん、とても良い体格をされていました。ただし、前述したとおり、朝の運動経験がない方は、急に高強度の筋トレをするのは危険です。軽い筋トレから始め、徐々に負荷を上げて行くようにしましょう。

中高年層に適した筋トレ時間

40~50代の方は、若年層の方と比べると、残業なども少なくなり時間的に少し余裕が出てくるころではないでしょうか。時間を工面できる方は、夕方~仕事帰りに筋トレするのがおすすめです。骨格筋の断面積は、朝よりも夕方に運動する方が増加することも報告されていますので、仕事帰りに筋トレをすることは一番おすすめです。

ただし、夕食前は筋肉のエネルギーが枯渇している状態です。マウスを対象にした研究では、運動後に栄養摂取をしたグループよりも、運動前に栄養摂取をしたグループの方が筋肥大が大きかったという報告があります。ですので、昼食で栄養をしっかりと摂ったり、筋トレ前にゼリー状の糖質補給食品を摂取するなど、エネルギー補給をしてから筋トレをすることをおすすめします。

高齢者向けの安全な筋トレタイミング

60歳以上の高齢者が運動するにあたっては、運動による事故も懸念されます。時間帯によって発症リスクが上昇する疾病が報告されています。例えば、心筋梗塞は朝 6時から正午に、脳卒中は朝 6 時から 8 時にかけて発症率が最も高まると報告されています。ですので、高齢者の場合はあまり早朝の激しい運動はお勧めできません。やはり、昼食後や午後の早い時間帯に筋トレするのが一番おススメです。

また、夕方に運動する人と血圧との間に負の相関がるとする報告もあります。生活習慣病予防や健康維持を考慮すると、午後から夕方の運動が最適かもしれません。

ですが、高齢者は朝早く起きたり、朝から散歩したり、いわゆる「朝型」の生活スタイルの方が多いのではないでしょうか。高齢者はメラトニンの分泌量が減り、それが体内時計の乱れの一つの原因になり、早起きなどしやすいと言われています。もしも、「朝から午前中に掛けての方が体が動きやすい」という方がいらっしゃれば、(あまり早朝はお勧めしませんが)起床3~4時間後から午前中に筋トレをするのも良いかも知れません。ただしその場合でも、急な高強度の筋トレは禁物です。少しずつ始めるように注意しましょう。

3.生活スタイルに合わせた筋トレプランの作成法

生活スタイルに合わせた筋トレプランの作成法

忙しい現代社会では、仕事や家事、育児に追われて筋トレの時間を確保するのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、自分のライフスタイルに合ったプランを立てることで、無理なくトレーニングを続けることができます。ここでは、忙しい方でも取り組みやすい筋トレメニューや、自宅で簡単にできるトレーニング方法を紹介します。生活リズムに合わせて計画的にトレーニングを行うことで、効率よく体力を向上させることが可能です。

忙しい人向けの短時間でできる筋トレメニュー

仕事や家事で忙しい方には、短時間で効率よく行える筋トレメニューの組み立て方があります。1日に10~15分程度の筋トレを週に4~5回ほど、比較的頻度よく行う方法です。10~15分あれば1、2種目の筋トレが出来ます。例えば、スクワット、腕立て伏せ、プランクなどの基本的な筋トレ種目を1日に1、2種目ずつ日替わりで行う方法がおすすめです。

自宅でできる簡単な筋トレ方法とそのタイミング

ジムに通う時間がない方でも、自宅で手軽に筋トレを行うことができます。特に朝や夕方に自宅で筋トレを行うことで、時間を有効活用しながら健康を維持することが可能です。例えば、朝は体を目覚めさせるために軽めのストレッチ、夕方は全身を使った筋トレで一日のストレスを解消するようなメニューがおすすめです。

私の経験では、クライアントの中には仕事帰りの夕飯前に筋トレを取り入れることで、仕事後のストレスを解消し、リラックスした気持ちで夜を過ごせるようになった方もいます。また、自宅トレーニングではダンベルやチューブなどの簡単な器具を活用することで、筋力向上と体幹強化を図ることができます。

忙しい生活の中でも無理なく続けられる筋トレプランを見つけ、自分のペースで健康を維持していきましょう。

4.効果的な筋トレ頻度と回数について知ろう

効果的な筋トレ頻度と回数について知ろう

筋トレを行う際、「どのくらいの頻度が理想的なのか?」と悩む方も多いと思います。効果的にトレーニングを進めるためには、適切な頻度と回数を設定することが重要です。無理をして過度なトレーニングを行うと、疲労が蓄積して逆効果になることもあるため、自分の体力に合わせたプランを立てることが大切です。

1回あたりの推奨時間とは?

筋トレの1回あたりの時間は、一般的に20〜60分程度が理想的とされています。特に、夕方の筋トレは、体温が最も高くなるため、筋力の発揮やパフォーマンス向上に適しているとされています【注1】。この時間帯に行うトレーニングは、筋力強化に効果的です。

一方で、朝のトレーニングは体内時計の調整に役立ち、1日の代謝を上げる効果が期待されています。初心者の方は、まず20〜30分程度の筋トレから始め、週に2〜3回を目安に取り組むと無理なく続けられます。

週あたりの理想的な回数について

筋肉の回復には48〜72時間が必要とされており、筋トレは週2〜3回が理想的です。特に「スプリットトレーニング」を取り入れると、特定の部位に負担をかけすぎることなく、効率的に鍛えられます。たとえば、月曜日に上半身、木曜日に下半身を鍛えると、十分な回復時間が確保でき、効果的な筋肥大が期待できます【注2】

無理なく続けることで、健康維持と筋力アップの両方を実現できます。最適な頻度を見つけ、自分に合ったペースで筋トレを取り入れましょう。

5.ストレス解消に役立つ筋トレ時間帯の選び方

ストレス解消に役立つ筋トレ時間帯の選び方

筋トレは単に筋力を高めるだけでなく、ストレス解消やメンタルヘルスの改善にも役立つことをご存知でしょうか?日々の生活で感じるストレスや疲労感を、適切な運動のタイミングを選ぶことで解消することができます。ここでは、心身のリフレッシュに効果的な筋トレの時間帯について紹介し、自分に合った方法を見つけるお手伝いをします。日常生活に取り入れることで、心も体も健やかに保ちましょう。

運動によるメンタルヘルスへの影響

筋トレを行うことで、脳内のエンドルフィンやセロトニンといった「幸せホルモン」が分泌され、気分が高まることが科学的に証明されています。特に、夕方から夜にかけての時間帯に軽めの筋トレを行うことで、1日のストレスを解消し、リラックスした状態で夜を迎えることができます。私のクライアントの中でも、仕事終わりの筋トレを取り入れることで、ストレスから解放され、仕事の効率も上がったという声を多く聞きます。

一方、早朝の筋トレは、朝の陽光を浴びながら体を動かすことで、交感神経が活性化し、1日のスタートをポジティブに切る手助けとなります。特に、うつ気味の方には、朝の筋トレが気分の改善に役立つとされています。朝の運動によって、体内時計がリセットされ、より良い睡眠サイクルが整うことも期待できます。

心身ともにリフレッシュするためのタイミング

夜の筋トレは、ストレス解消やリラックス効果が期待できますが、就寝前の激しい運動は逆に入眠を妨げることがあるため、注意が必要です。理想的なのは、就寝の2〜3時間前に軽いストレッチや体幹トレーニングを行うことです。運動により一時的に体内の深部体温が高まりますが、その後に睡眠に適した深部体温まで下がります。運動しなかった場合よりも体温が大きく下がり、スムーズな入眠や熟睡感が得られるとも言われています。

逆に、夕方は体温が最も高くなり、筋肉が活性化している時間帯です。この時間に強度の高いトレーニングを行うと、ストレス解消だけでなく、運動パフォーマンスも向上しやすくなります。一日の終わりに心地よい疲労感を得ることで、仕事のストレスをうまく発散でき、夜の睡眠の質も向上します。

運動を通じてストレスを解消し、心身のバランスを整えるためには、自分のライフスタイルに合わせた時間帯で無理なく継続することが大切です。日常生活に適切な運動習慣を取り入れることで、心も体も健康で充実した日々を送りましょう。

まとめ

筋トレの時間帯によって得られるメリットや注意点について理解できたでしょうか?日々の忙しい生活の中でも、自分に合った時間帯を見つけることで、無理なくトレーニングを継続できるようになります。私自身も、クライアントと共に実践しながら、それぞれのライフスタイルや体調に合わせた筋トレ方法を提案してきました。

その結果、「朝の筋トレで仕事の集中力が向上した」や「夜のトレーニングでリラックスしてよく眠れるようになった」といった嬉しい声を多くいただいています。あなたも、ぜひこの記事を参考に、効果的な筋トレ習慣を取り入れてみてください。

今日からできる筋トレ習慣のスタートガイド

  1. 自分の生活リズムに合わせて最適な時間帯を選ぶ
    まずは、朝・昼・夕方・夜のうち、どの時間帯が自分にとって無理なく継続できるかを見極めましょう。例えば、朝は代謝を上げたい方、夕方は筋力を強化したい方におすすめです。
  2. 短時間でも続けられる筋トレメニューを設定
    忙しい方でも1日10〜15分の簡単なトレーニングを取り入れることで、健康維持が可能です。基本的な筋トレ種目のうち、1日1~2種目を日替わりで行う方法は、短時間で筋トレを済ませたい方におすすめです。
  3. 週ごとの頻度を決めてスケジュールを組む
    筋トレは継続が重要です。週に1〜2回のペースから始め、慣れてきたら頻度を増やしてみましょう。自分に合った頻度でトレーニングを行うことで、無理なく健康な体を手に入れましょう。

当ブログでは、他にも筋トレ初心者向けのガイドや、ライフスタイルに合わせた健康習慣のアドバイスを多数掲載しています。ぜひ他の記事もご覧くださいね。

出典リスト

【注1】高橋将記,金鉉基.時間栄養学と運動・パフォーマンス.日本スポーツ栄養研究誌.2022,15:13-19.
https://www.jsna.org/cms/wp-content/uploads/2022/12/15-p13-19.pdf(参照 2024-11-19)

【注2】青山晋也,柴田重信.時間栄養学・時間運動学と健康増進.日本生物工学会誌,2023,第95号 第5号.
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9505/9505_tokushu_4.pdf(参照 2024-11-19)